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8月14日 大雪山行(昼)~赤岳から北海岳へ

※パソコンでは写真をクリックすると写真が拡大表示されます。

赤岳

赤岳山頂碑
赤岳は頂上に大岩が居座る独特の山である。山頂碑は岩の下に立っている。
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赤岳登山道
稜線は荒涼とした広大な台地状の地形だ。今来た道を振り返ると、どこが道だかさえ分からないような台地が広がっていた。目を凝らすと登山者がこちらに向かって歩いてきているのが見えた。
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上の写真の右側の影をアップにすると人だということがわかる。
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広がるパノラマ
大雪の山々は、どれも標高は2000m前後だが、森林限界を超えており、また稜線はハイマツさえほとんどはえない荒涼とした土地だ。逆に遮るものがなく大パノラマが広がる。
北海道の最高峰、旭岳の眺めもよい。写真の正面が旭岳だ。写真の左端にわずかに見えているのが白雲岳。今日は左手の方から、写真に写っている白雲岳の手前の雪渓を横切り、さらに写真の中央を横断して写真右側のなだらかな山に登る。このなだらかな山が北海岳だ。
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上の写真の左側を眺めると、なだらかで大きな丘のような山が見える(下の写真)。これは小泉岳。赤岳から最初に目指すのはこの小泉岳だ。赤岳からの道は、なだらかで近くに見えるのだが、意外に時間がかかる。
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小泉岳

道標~小泉岳頂上付近~
赤岳から小泉岳までは20分から30分程度の時間がかかる。急坂は全くないが、岩が多く、決して足元のよい道というわけではない。このあたりは風も強い。
赤岳からしばらくまっすぐ歩き、やや右に回りながら高度を上げると、登山道の分岐点(下の写真)に出る。この分岐点を左に曲がって数分進むと小泉岳頂上なのだが、分岐点より高いところなのかもわからないくらい平坦な場所だ。写真の左側に、小さく山頂碑が立っているのが見える。
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分岐を真っ直ぐ進む方向には白雲岳のごつごつした岩肌が見えてくる。ここから高度を下げ、コル状の場所が白雲岳分岐と呼ばれる場所だ。
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白雲岳分岐

道標
白雲岳分岐は、白雲岳、北海岳、小泉岳経由で赤岳や緑岳への分岐点だ。また、近くには白雲岳避難小屋があり、忠別岳を経てトムラウシへ向かう道へ続く。
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白雲岳分岐付近はやや谷間でもあり、強風を遮る影に入るためか、小さいお花畑が見られる。

チシマクモマグサ
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ミヤマリンドウ
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白雲岳から北海岳へ

北海岳への道
白雲岳の手前を右手に降りてゆく。白雲岳の日陰に下ると、正面に雪渓が現れる。左手には白雲岳の崖が迫っていて、落石がないことを祈りながら通り過ぎてゆく。沢を横断し、小さな高台に出ると、遠くに目的地の北海岳が見えてくる。自分のいる場所から北海岳までの道が見えており、そんなに時間がかかるようには思えないが、ガイドのコースタイム上では50分程度かかる計算だ。実際50分かかった。障害物のない遠景は、こんなにも距離感をなくさせてしまうものなのか。
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北海岳

山頂碑
最後の登りはだらだらと長く、あまり好みに合わない坂道だ。下から見上げても、いかにも疲れそうだった。
なんとか登り切りついたところには、この山頂碑が立っていた。
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道標、遠くに烏帽子岳と赤岳
振り返ると、赤岳も遠くに眺めることができた。写真右橋の平らな山が赤岳だ。画面の左側の尖った山は烏帽子岳。道標は、これから向かう黒岳石室や黒岳、そして今通ってきた赤岳や白雲岳が表示されている。背後は「お鉢平」と呼ばれる巨大なカルデラがある。お鉢平には有毒温泉と呼ばれる温泉があるが立ち入り禁止となっている。
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お鉢平と有毒温泉
お鉢平の周囲の外輪山が、大雪山の主要な山々である。お鉢平の中央には、湯を湧き出す有毒温泉がある。北海岳にいてもかすかに硫化水素のにおいが漂ってくる。
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黒岳方面
ここまで来ると黒岳もよく見えている。写真中央のやや左側の山がそれだ。これから、尾根のやや左側を進み、写真中央の尾根を伝って谷底の沢までいったん下る。その後、沢を渡渉し、写真の左側へ歩みをすすめると黒岳石室だ。ここから予定では1時間少々の道のりになる。
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黒岳
北海岳から、黒岳をややアップにして写真を撮ってみると、登山道がよくわかる。実は大きく拡大すると登山道を歩いている人まで見えている。
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黒岳石室
上の写真をよく見ると、写真左端のほうに黒岳石室も見えている。上の写真から黒岳石室を切り出したのが下の写真だ。
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時間は既に13時頃。いよいよ最後の縦走だ。これから黒岳石室を経て、黒岳に登る。黒岳を超えてリフト乗り場まで下って層雲峡に戻り本日の行程は終了だ。先へ進もう。
(8月14日 大雪山行(夕方)へ続く)
by emu_nijuuhachi | 2012-08-14 13:05 | 山行 | Trackback | Comments(0)

8月14日 大雪山行(朝)~銀泉台から赤岳へ

※パソコンでは写真をクリックすると写真が拡大表示されます。

8月13日、朝9時過ぎに新千歳空港に着いたときは雨だった。層雲峡からの大雪山行は2006年以降、今回で5回目だ。移動は手慣れたもの、列車を札幌で乗り継ぎ旭川駅まで移動、旭川からはバスで層雲峡に向かうことにした。にぎやかな街並みを抜け、やがて小さな町、上川に到着、バスはさらに先に進み、石狩川沿いの明るい緑の中を通るうち、やがて、左右は断崖が迫ってくるといよいよ層雲峡バスターミナルだ。時刻は14時を回っていた。宿に荷物を置いて、近くでラーメンを食べ、ビジターセンターで情報収集をしてその日は宿の部屋に閉じこもった。明日は晴れらしい。できれば、日本では北海道だけで見られるシジミチョウや、本州でも見られるクモマベニヒカゲ、あわよくば日本では大雪山だけで見られる天然記念物の3種のチョウも生き残っていれば見られれば良いなと思っていた。(結果的には今回はこれらには会えなかったが…)

8月14日、朝4時半ごろ、まだ外は雨のようだ。とりあえず出発の準備を整え5時45分ころに出発。雨は上がっていた。バスターミナルにはすでに10名前後の登山客がバスを待っていた。6時にターミナルにバスが滑り込んできて、列をなしてバスに乗り込んでゆく。いよいよ山への出発だ。ここから幹線道路を経由し、大雪湖沿いの道路を通り、未舗装の林道に入ってゆく。約50分ほどの移動時間を要する。激しくバスに揺られて到着したところが銀泉台だ。ここは紅葉の時期には多くの人が訪れるが、8月はまだ静かだ。かつて建っていた山荘は数年前に取り壊され、真新しい小さい管理小屋だけが立っている。ここで、管理小屋で行動予定を記入していよいよ出発だ。

赤岳登山口~

雨は上がったとはいえ霧がかかって、遠くの景色は臨めない。さっそく歩みを進める。最初に樹林帯の中の短い急登がある。樹林帯の中ではウメバチソウが見られた。

ウメバチソウ
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第一花園

まもなく、樹林帯をぬけ、正面には山のさらなる斜面が迫ってくる。ここで道は大きく右に曲がり、斜面をトラバースするように道が付いている。7月上旬まではこのあたりは雪に覆われていて雪上を歩くのだが、8月中旬にもなると雪はすっかりなくなり、しっかりとした道が付いている。灌木帯と草原に囲まれ、花の種類も増えてくる。ウサギギクが多い。ウサギギクは花を横に向けこちらを向いているように見える。チングルマは花の時期が終わり綿毛が付いている。ヨツバシオガマが所々に赤紫のアクセントをつけている。

ウサギギクやその他の花々
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長い第一花園を過ぎると、また少々登る。ダケカンバ木々の中を通っていくと、登山道はウラジロナナカマドに囲まれる。ウラジロナナカマドは、まだ紅葉はしていないが、実が色づき始めていた。

ウラジロナナカマド
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第二花園

ウラジロナナカマドの道を抜けると広い場所に出る。ここが第二花園だ。ここにはまだ雪が残っているが、雪を踏みながら短い斜面を登ると間もなく花々が姿を見せてくれる。わずかながらチングルマも残っていたし、エゾコザクラもまだ咲いていた。

チングルマ
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エゾコザクラ
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ハクサンボウフウ
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ヨツバシオガマ
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ハイオトギリ
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奥の平

第二花園を登りきると、再び灌木帯に入る。ハイマツやウラジロナナカマドに囲まれた登山道だ。
再び開けた場所に出る。ここが奥の平である。ここにも沢山の花が咲いていた。
特に多かったのがウサギギクだが他にも多く種類の花が咲いていた。

ウサギギクとチングルマの綿毛
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奥の平の雪渓
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ミヤマサワアザミ
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エゾツツジ、ウサギギク、チングルマ等
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ナガバキタアザミ
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コマクサ平

それにしても今日は風が強い。しかも空気が冷たい。8月というのに、長時間、風にさらされている手はかじかんでくる。奥の平を登り灌木帯を抜けると、ハイマツと、その下に這うように生える高山の低木が目立ち始めると間もなくコマクサ平だ。7月には、大雪山の天然記念物3種のチョウが舞う砂礫の台地だ。コマクサ平は遮るもののない広大な大地でさらに冷たい風が身に染みてくる。気温が低すぎるせいか、全く蝶の姿はない。砂礫の間に間にコマクサがまだ花をつけていた。一株目立つ花が咲いている。クモイリンドウだ。薄黄色の花に青いラインがしゃれている。
ハイマツの脇では、クロマメノキ、コケモモ、ウラシマツツジ、ミネズオウなどが地表を覆うように小さな枝をのばしている。ウラシマツツジは既に葉が赤みを帯びており、紅葉が始まっているのを実感させた。よく見るとクロマメノキの葉の下には、青黒い実がたくさんなっていた。クロマメノキは日本にも自生するブルーベリーの野生種だ。実は甘酸っぱくてうまい。が、ここは大雪山。自然保護のため実を口にするのは遠慮した。また、ハイマツの枝が覆いかぶさる下にはコケモモがはえており、実が色づき始めていた。こちらは、日本に自生するクランベリーの野生種だ。

クモイリンドウ
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コマクサ
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クロマメノキ
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コケモモ
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第三雪渓

コマクサ平を過ぎると再び短い灌木帯に入る、ここでやや高度を下げ、第三雪渓の底部に出てくる。第三雪渓とはいうもののこの時期はもうほとんど雪はない。ここはここまでで一番の急登、しかも岩がゴロゴロするガレ場だ。赤岳までの正念場だ。しかし、底部から上部まで、お花畑が広がる。ここまでのお花畑に比べても彩の鮮やかさは一番だったろう。花を愛で、気を紛らしながら進むことができた。

コガネギク
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タカネトウウチソウ
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イワギキョウ
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第四雪渓

第三雪渓を登りきると左に曲がり、進んでゆく。徐々に開けた場所に出てくると第四雪渓の底部だ。ここも花が多く美しい場所だ。ここは本当は7月に訪れるととてもいい場所だ。今回の登山で唯一、チョウ撮影ができた場所だった。ここを登りきれば間もなく赤岳頂上だ。

コヒオドシとウサギギク
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アオノツガザクラ
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コエゾツガザクラ
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赤岳頂上

第四雪渓ももう、登山道側には全く雪は残っていなかった。ハイマツなどの生えた道を歩くうち、徐々に周囲の木々は無くなってきて、岩と砂とわずかな草しか見れない広大な台地にでてくる。進む先に大きな岩が見えてくる。これが赤岳頂上だ。

イワブクロ
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赤岳頂上
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最初の目的地の赤岳頂上に到着した。ゆっくり登ってきたが、まだ十分時間はある。ここで少し休憩することにしよう。(赤岳山行(昼)に続く…)
by emu_nijuuhachi | 2012-08-14 10:42 | 山行 | Trackback | Comments(2)

7月の旅~アタック

7月28日。この旅の最終日、天気はどうだろうか。旅に出る前から天気がよければ星空を眺めたいと思っていた。
早朝2時に寝床から這い出し外に出てみた。外は満天の星空だった。肉眼で天の川だって見える。
いかに都会の夜空が明るいかを感じる時間だった。
6分ほどシャッターを開けっぱなしにしてみた。星は天空を回っているのがよくわかる。
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同じ方向を再び撮影してみる。カシオペアがよく見える。カシオペアを呑み込むように天の川が流れている。
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東側を中心とした空。朝になったらこの方向に進もう。
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南南西の空は山の向こうがうっすら明るい。明け方で空が白み始めたのか?いや、まだ2時過ぎだ。いくらなんでも早すぎる。たぶん街の明かりだということに気が付いた。あとで地図で調べてみるとちょうど名古屋の方向であることがわかった。
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天気は上々。朝が楽しみだ。40分も星空を眺めていた。
再び寝床に着いた。

あさ4時30分起床。5時の朝食を済ませ、5時半には出発準備ができていた。荷物はカメラ、水、タオル、救急セット、行動食、雨具、それと念のためストック。これらをサブザックに詰め、それ以外は山小屋付近にデポしていくことにした。
振り返ると青空が広がっていて、稜線には日がさしている。
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南側は山の頂上とはるか下の方に雲が漂っているがおおむね晴れだ。
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足元にヨツバシオガマが咲いていた。高山で見かけるものよりやや大きな株だ。

ヨツバシオガマ
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歩き出した。残雪の残る沢を渡り灌木帯に入る。しばらく進むと斜面上の草原に出てジグザグの道を進みながらどんどん高度を上げてゆく。再び灌木帯に入りさらに進むと、登山道は岩が徐々に増えてきて、長い鉄のハシゴが現れた、ハシゴで15メートルほど登り、さらにぐんぐんと高度があがってゆく。灌木帯を抜けたと思ったら平坦な休憩によさそうな場所にでた。出発から約1時間、ここは「カモシカの立場」とよばれる場所だ。
高台になっていて景色がいい。標高にして山小屋の地点から350mほど高度を上げた。西穂高岳附近の稜線の高さはだいぶ近づいてきた。
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明神岳は近づいてはきたが、まだまだ見上げるようだ。
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ここで休憩していると、山小屋付近で追い抜いた単独の女性に追いついてきた。ゆっくり登っておられるようでペースの遅い自分と似たようなスピードだ。「景色がすごいですね」などと会話を交わし、休憩を終えると、ここからはしばらく行動を共にさせてもらった。女性に先行してもらい、自分はその少しあとを歩いた。
ここからは本格的な登山だ。両手足を駆使して岩場をぐんぐん上るところあり、ハシゴが連続しているあり、安全のため鎖をつかんで登る場所ありで、まずは山小屋から500mほど高度を上げた地点まできた。
今日の最低限の目標、「岳沢パノラマ」だ。目の前には山の稜線から切れ落ちている急傾斜の尾根や谷が広がる。なかなかの高度感だ。見上げるとさらに上の高台に人が休憩している。そこまでは十分いけそうだ。途中岩場を苦労しながら下ってこちらに向かっている人もいるが、苦労するのはわずかな区間のようだ。がんばって高台まで行ってみよう。カモシカの立場から一緒に行動にしていた女性とも、そこまでは行動を共にすることにした。
ハイマツ帯と鎖が張られた岩場を通過し、高度をさらに50mほどあげると、再びそこそこ広い平坦な場所にでた。先ほど人が休憩しているのが見えていた「雷鳥広場」だ。ここでも一休み。行動を共にしていた女性とはここで別れた。彼女はこのあと、前穂高岳、奥穂高岳(日本第3位の高峰)を縦走するらしい。
この場所は休憩にちょうどいい形をした低くて平らな岩が多い。休憩をしながら、戻るか、進むかを考えた。体調に自身がなかったが意外に調子がいい。現状に不安は感じない。時間もまだ7時半を回った程度、時間的な余裕もあるので、やはり行けるところまで行ってみようと思った。
次の目標は、前穂高岳頂上への道と、吊尾根から奥穂高岳への道の分岐点である、「紀美子平」だ。
周囲に高山らしい花が増えてきている。特にハクサンイチゲやシナノキンバイは鮮やかだ。

ハクサンイチゲ
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上空はかなり曇ってきた。周囲の山が完全に雲に隠れたり、雲間に明神岳が見えました。明神岳の高さももう自分とそれほど差がないぐらいになってきた。
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さらに岩だらけの道。岩をよじ登り、曲がりくねったハシゴを超えてたどり着いたところは、ずっと上の方まで鎖が続いた岩の急こう配の斜面。岩の表面は平らでいかにも滑りそう。鎖をつかんで確実に歩みをすすめた。
鎖が岩の角を左に巻き込み視界から消えていた。鎖を伝って岩を左に巻き込んで登りきると突如広い場所と多くの休憩する登山客の姿が目に飛び込んできた。ここが「紀美子平」。すでに山小屋から高度は750mほど上げてきており、標高2900mを超えている。
意外に体力的にはまだまだ余裕がある。天気はまだ雲が多くいまいちといった感じ。山小屋で同室だった方が前穂高岳から降りてこられ、眺望が残念だとの話をしてくださった。でもここまできたらあと170mほど登れば前穂高岳頂上だ。先を進むことにした。
穂高連峰は岩峰だ。ここまで来ると岩だらけ。とにかくよじ登る。脇をみると谷底へ伸びるお花畑にほっとする。いよいよ最後の登りだ。上で岩が崩れる音がした。びっくりしたがけが人はいない模様、どうも浮石を踏んで転んだ人がいたようだ。自分も気を引き締めて登りきり、ついに標高3090mの前穂高岳頂上に立つことができた。先ほどまでの雲が嘘のように晴れ、青空が広がっている。すぐ近くにどっしりとした奥穂高岳、その右側に尖がった涸沢岳、さらに右側には頂上付近が広くごつごつした北穂高岳が見える。絶景である。手前の斜面はすとんと谷底に落ちている。この谷底が有名な涸沢だ。北穂高岳のさらに右側は雲がかかったままだが、あの雲の中には槍ヶ岳だ。
とてもさわやかだ。来てよかったと思った瞬間だ。
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見下ろすと、真下にあの山小屋が見えていた。
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さらに遠くかなたには梓川に沿って、上高地のバスターミナルや、帝国ホテルの赤い屋根、さらには大正池などが見えている。
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20分ほど休憩し下山を開始した。ここから、今日は上高地バスターミナルまで1600m高度を下げなくてはいけない。急斜面の下り、足にこたえそうだ。時間をかけてひざに負担をかけないように気をつけてくだろう。
この登山中はあまり花を写す余裕がなかった。タカネスミレなど、高い山に来ないとみられない花も見られたのだが写真を撮り損ねた。せっかくなので下山途中は、シナノキンバイのお花畑を写真に収めた。

シナノキンバイとハクサンイチゲ
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北アルプスに来て稜線付近に来ると必ず見られるのがこのイワツメクサ

イワツメクサ
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イワギキョウが崖の端に咲いていた。遠景には山小屋がまだまだ遠く見えている。

イワギキョウ
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とにかく下りは長かった。途中から体力的な余裕はなくなってきた。ゆっくりゆっくり降りて行った。
山小屋に到着する少し前に、タカネキマダラセセリがグンナイフウロで吸密するのを見つけた。

タカネキマダラセセリ
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山小屋に着いたときは、もはやへとへとだった。もう歩きたくないと思った。が、今日は下山しなくてはならない。山小屋で戦利品として前穂高岳のバッヂを購入し、大休止のあと厭々ながら、上高地までの下山を開始した。
下山を開始して間もなく、茂みの中でカメラを構えている人がいる。これは蝶の写真でもとっているに違いないと思い、訪ねてみたら案の定、「蝶を撮ってます。タカネキです。」とのこと。その方から名刺をいただくことができて驚いたのはブログで何度もお名前を拝見していた方(ヒメオオさん)だったのだ。出会いの不思議を感じつつ、ペースの上がらない自分は足を進めなければならなかった。まもなく、深い樹林帯に入るというところの手前で、またまたタカネキマダラセセリが吸密しているのに出会った。クガイソウで一心不乱に蜜を吸っている。こんな低い標高で出会うと思っていなかったので意外よろこびだ。今回はアップで撮影してみた。

タカネキマダラセセリ
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距離はさほどでもないが、長い長い道のりだった10時前には下山開始したのに、河童橋に到着したのはすでに17時だった。今回の登山は行きはよいよい、帰りはへとへとのよい教訓になった。
上高地発のバスにはスムーズに乗ることができ無事東京に着くことができたのだった。
by emu_nijuuhachi | 2012-07-28 22:00 | 山行 | Trackback | Comments(4)

常念山脈山行3日目・イルカとメガネがいる山の巻~タカネヒカゲ

大天荘の目覚めは3時半でした。同室の登山客の方が外の様子を見てきたところ星がでているとのこと。今日は御来光が拝めるかもしれません。外はかなり寒そうなので、上着をきて、カメラを持ちおもてに出ました。
日の出までは1時間近くありますが、そろそろ東の空は白み始めています。
d0176157_0573529.jpg眼下には雲海が広がっています。北アルプスの山々の頂が雲の上に覗いている景色を眺めているうち、日の出の時間となりました。雲海の空では、日の出は雲の下から始まります。

d0176157_0574198.jpg西には朝日に照らされる槍穂高連峰がそびえる絶景です。

d0176157_0581948.jpg日の出を堪能したあと、5時からは大天荘の朝食時間です。少々疲れが残っていて食欲も今ひとつでしたがむりやりおなかに食べ物を押し込み、荷物をまとめて5時半には小屋をでて、大天井岳の山頂へ向かいました。
空はすっかり明るくなっています。

d0176157_0575295.jpg大天井岳の頂上には360°の大パノラマが広がります。穂高・槍連峰、鷲羽岳や薬師岳など黒部源流・裏銀座の山々、雄大な立山・剱岳、針ノ木岳から後立山連峰、近くは燕岳など。今回は雲海が広がっているため谷底の高瀬湖は見られませんでしたが、北アルプスの山々の姿を楽しめました。

d0176157_0581019.jpg南側には、昨日通ってきた、中天井岳、東天井岳、横通岳などが見え、その向こうにはどっしりとした常念岳が座っています。その向こうの蝶ヶ岳には東から雲が流れ込んできているのがよくわかります。


6時過ぎ、最後の目的地、燕岳に向けて出発しました。常念山脈の稜線は西側斜面は強風のハイマツと砂礫地帯、東側斜面は湿度が高く草原地と、まったく異なる景色が広がります。常念乗越から大天荘までの登山道が主に西側斜面につけられているのに対して、大天荘から燕山荘までの道の半分くらいは東側についていて、多くの種類の花を見ることができます。

大天荘から燕山層方面へ下る急斜面にもお花畑が広がります。
ヨツバシオガマ、タカネヤハズハハコ。
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d0176157_0585254.jpgウラジロナナカマド。

d0176157_0585617.jpg大天荘から下りきり切通岩あたりから振り返ってながめた大天井岳。どっしりと大きいです。

稜線の東側斜面に広がるお花畑。
コバイケイ、シナノキンバイ。
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ニッコウキスゲ、ミヤマカラマツ。
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ハクサンフウロ、チシマギキョウ。
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d0176157_10830.jpgハクサンチドリ。

d0176157_104054.jpg行程の3/4ほど来ると蛙岩(げえろいわ)という岩があります。この岩の隙間に登山道が付いています。

d0176157_105297.jpg少し進むといよいよ間近に燕岳が見えてきます。

d0176157_11289.jpg最後のひと山を越えようとしたとき登山道脇につがいのライチョウが姿を現しました。

d0176157_111311.jpg燕山荘に到着しました。少々休憩し、イチゴミルク?なるものを山荘の売店で購入。これがなかなかおいしかったのです。大きな荷物はデポして、サブザックにカメラと水だけを詰め込み草々に燕岳に向かいました。
花崗岩の巨岩・奇岩が多数突き出す独特の情景です。

d0176157_112767.jpg中でも有名な岩、イルカ岩です。

d0176157_113875.jpg登山道から西側を眺めると黒部川源流の鷲羽岳が雲の隙間から姿を覗かせます。谷底には高瀬湖に注ぐ湯俣川が見えます。ちょうど真下に見えるところが湯俣温泉と呼ばれる天然の温泉です。

ハイマツの根元に、ツマトリソウが小さな花を咲かせていました。さらに道は続きます登山道脇には巨岩が突き出ています。
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d0176157_12689.jpgまたまた有名な岩、メガネ岩です。ここまでくれば、あとひと登りで燕岳頂上です、このあたりでかなり霧がかかってきました。

頂上近く、登山道脇にウサギギクが咲いています。そして、頂上。頂上の表示と三角点です。
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頂上はちょっと狭いので、早々に引き上げることにしました。頂上直下で、ライチョウがいました。3羽いたのですが、1羽はどこかへ歩いていっていまい、撮影できたのは2羽。登山道脇で穴を掘って砂浴びをしていました。初めて見る行動です。おもしろいのでしばらく眺めていました。
それにしてもライチョウの♀はとても優しい顔してます。
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d0176157_134434.jpg砂礫の斜面で花を咲かせるコマクサ。

d0176157_135496.jpgチシマギキョウ。

d0176157_1458.jpg燕山荘付近に戻ったとき今日最初の蝶、タカネヒカゲに会いました。ここで飛翔写真にチャレンジ。かろうじて撮影できました。

燕山荘前の階段脇、ミヤマクワガタ、ミヤマハタザオが咲いていました。
d0176157_145536.jpgd0176157_15139.jpg

d0176157_152330.jpg燕山荘で少々休憩。ちょうど昼時ですが、土曜日ということもあり燕山荘周辺もかなり混雑してきました。天気も下り坂の模様。早々に下山しましょう。最後に燕山荘直下のお花畑に咲いているテガタチドリを撮影して、あとは道を急ぐことにしました。

中房温泉から穂高駅行のバスは14時15分に出発します。とにかくバスに間に合うよう歩きました。途中、合戦小屋周辺は人であふれています。名物のスイカを購入、急いで平らげ、さらにペースをあげて下山します。荷物が重く結構きついです。ぐんぐん高度を下げ、足はがくがくになりながら、中房温泉に到着。なんとバスは出たあとでした。到着が14時20分、5分前に出たばかりでした。温泉につかろうかとも思いましたが、カキ氷をいただき、ベンチでウトウトし、他の登山客の方とおしゃべりをして時間をつぶしました。16時発のバスに乗り込み穂高駅へ。。。これでこの旅は終わりです。
去年も同じコースを歩きましたが、今回はなぜかやや疲れました。でも、天気はまずまず、景色もよく、会いたかった蝶にも出会え満足な旅行となりました。
by emu_nijuuhachi | 2011-07-23 22:00 | 山行 | Trackback | Comments(0)


10年前に始めた、デジカメ片手にハイキングやお散歩。撮りためた画像を紹介しながら当時を振り返ったり、最近公園や里、山で出会った蝶や花、その他の生き物等について日記風に紹介していきます。


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